雪原の月影
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雪原の月影

月夜/稲荷家房之介

涙なしに読めない。絶対読むべき良作

2023年7月3日
まず特筆すべきはその完成された世界観。国、領、種族、身分、それぞれに文化や特性、思いがあり、生き生きとまるで実在しているかのように描かれています。
人の信念や行動原理しかり、しっかりと裏付けがあるので、ストーリーに奥深さがあります。
リュクス国と対峙している時のエルンストの君主論には痺れました。
だからこそ人の動きや事件が説得力を持ち、壮大なのに矛盾なく、すんなりと読み進めることができます。こんなに骨太の作品に出会えて光栄ですらあります。
キャラクターが多く、本来スピンオフ含めて全50巻くらいあってもいいような世界観なので、是非とも今後たくさんのスピンオフを生み出していただきたい…。無限にストーリが生まれそう。
稲荷屋先生のイラストも素晴らしいです。ぜひ読むべき名作だと思います。
【追記】小説家になろうサイトを見てきました。本編に収録されていないサイドストーリーがたくさんあったので、ティスやタージェス、その他モブ視点のお話が気になる方はそちらもご覧になることをお勧めします。
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