こたえてマイ・ドリフター
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こたえてマイ・ドリフター

大島かもめ

珠玉のラブストーリーの称号にふさわしい

ネタバレ
2023年7月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大島かもめ先生の新刊!言わずもがなで買おうと決めていました。他の方々のレビューも読んで、表紙の華やかさとは異なり、重たいストーリーということを知り、覚悟して読んだのですが…。読後はしばらくこっちの世界に戻ってこれないほどの素晴らしさに言葉を失いました。4回読んでやっとレビュー書いてます。

時は1929年、ニューヨーク。エリオットとロバートは出会った瞬間に惹かれ合い、大人の恋が始まります。しかもロバートは、エリオットが子どもの頃に心を通わし、淡い恋心を抱いていた初恋の君だったー…。あの時ロバートことリンチェに一体何があったのか、そして、あの時助けられなかったリンチェを今度こそ自分が守るんだと誓うエリオットにひたひたと忍び寄る運命。守りたい、助けたいという強い心も一瞬で砕かれ絶望する。こんなに想い合っているのに、2人の明るい未来はないのかと苦しく、涙が止まりませんでした😩

見せ方とか演出も際立っていて、まるで映画のような本作品。冒頭からストーリーの世界に誘われ、ずっと浸らせてくれます。一つ一つのシーンや言葉に無駄がなく、それが後々のストーリーに関わってきて初めてあの時のはこういうことだったのか!(O_O)と。さすがとしか言いようがありません。辛くきついシーンもありますが、2人の穏やかで幸せな時間もたくさん描いてくださっているので、愛の深さが感じられます。

たとえどんな姿になろうと、この先どんな未来が待っていようと、一緒にいたい。「愛してる」という想いが覚悟となり、怖いものはもう何もないというような強さを生んでいく。キラキラした美しさではなく、どこか仄暗さを残しながらも確かに深く紡がれていく珠玉の純愛ラブストーリーが煌々と美しさを放っています。苦しく切ないですが、二の足を踏まずに読んでほしい!きっとその素晴らしき秀逸な作品に感動し、いつまでも心に響くこと間違いなしです( ;∀;)
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