このレビューはネタバレを含みます▼
愛も人生もままならないなと思いました。ミステリー×情愛でとても読みごたえがあります。ページ数があるので上下別で順番に購入して読もうと思っていましたが、合本版で一気に読めてよかったです。
死んでもまだ愛されている韮崎という男を掘り下げる作品があったら是非読みたい。
いろんな運命が変わってしまった夜を紐解いていく麻生の捜査能力も凄いです。捜査なら一つ一つの行動に意味を紐付けて心まで紐解いていけるのに、なんで恋愛は全くダメダメなんだろうと不思議です。韮崎と麻生は存在事態が対象的です。私は両方魅力的だとは思いますが読むたびに2人にイライラします…愛する人を幸せにできそうに無い2人とでもいいますか…ろくでなしです2人とも。そんな2人を深く愛してしまった練の想いが切なくて…。運命って残酷です。
スピン元はまだですが、続きが気になりまず『私立探偵・麻生龍太郎』まで読みました。そしてもうスピン元を読みたくて仕方ありません。花ちゃんシリーズもはさみながらゆっくりじっくり読みたいと思います。
※小冊子のネタバレになるかもしれませんが、交尾したメスに貞操帯をつける蝶がいるなんて驚きました。他の誰かに抱かれる時に必ず韮崎の事思い出すように(心の貞操帯的な意味?)…それとも故郷に帰りたいのに帰れない練がふとした時にでも故郷を思い出せるように故郷の蝶を(おせっかい的な)…故郷を思い出す度に変わってしまった今の自分を思い知り麻生への憎しみも思い出すように(韮崎に縛り付ける鎖のような…練の心に誰が居るか知らないわけないですから)…やっぱり彫らされたんだろうか…まるであの蝶は練を象徴してるみたいだと思いました(生態以外は妄想です)。