このレビューはネタバレを含みます▼
「やたもも」で知った作者。
「ワンルームエンジェル」を読んだ時、「新耳袋」のエンジェルと重なって(空から天使?と満面の笑みの人物は、実は飛び降り中だったいう実話)
作者の作品は実在する怖さとリンクし凄すぎて、もう読めないと、かなり精神的に辛くなります。
しかし、それだけの作者。やっぱり読まねばと(後悔しそうで)夏ですし。
試し読みして、これならまだ大丈夫かなと手にしたこの作品。さすがだなぁのひと言でした。
ヘアースタイリスト2人の物語。
インターン→アシスタント→スタイリスト→トップスタイリストの過程、美容業界の方しか知らない様な裏話を見た様でとてもリアルでした。
特に主人公 笑吉を職場で追い詰めいく、顧客を離れさせ同僚達からも孤立させていく描写は、ありそうだなと。
カラー等の薬品は化粧品とは違い、元に戻るか戻らないか。化粧は落とせば化粧する前に戻りますが、カラー等の薬品は施術前にはもう元には戻らない。
タイトルはパーマじゃなく、何故カラーなんだろ?と思ったら、形を変えるのではなくその色を変えていく過程が福介の好みなのかと思ったら😩…ううう。恐ろしいなと。
そのレシピの物語。
なんだろう…もう、生きながら食べられている何かの様で…
本人は自覚があるのに食べられに行くのがまた怖く、最後はもう福介に頭を飲み込まれてるよ…という様な描写で。
静かに、静かに福介は笑吉のマインドを変え操っていく😩(その最終カラーはどんな色なんだろうと…)
そんな怖さを耽美な世界で描く作者はやっぱり凄い。
美しい福介。彼を心の底から満足さられるそれは、笑吉の人間性。あの後もずっと抗いながら福介に染まっていくのかなと思ったら、見なかった事にしようと思って読了しました(直視出来なかった)
笑吉が溶けたら終わり。カラー施術の失敗は髪の毛が薬剤によって溶ける事(その最後の部分はキューティクルではなく毛髄。血液)
はぁ…何とも言えない関係性を見せて貰った物語。怖かったです😩