金色蜂に蜜
」のレビュー

金色蜂に蜜

キタハラリイ

涙なしでは読めない感動ストーリー

ネタバレ
2023年8月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと気になっていた作品だったのですが、読むのに少し勇気がいり、ようやく読むことができました。買って大正解でしたし、もっと早く読めば良かった…。

1巻は、ついていくのに必死で、且つ顕史という人がどんな人なのか、こちらも心を揺さぶられながら読んだという感じ。また、メインカプ以外のあれそれが地雷の人もいるかと思います。私は一気買いしたのですが、1冊ずつ購入される方はもしかしたら続きを読むかどうか、迷いが出てくるかもしれません。ですが、信じて2巻、3巻、そして番外編と手に取って欲しい!

面白いのは、2巻からストーリーも、修人と顕史の2人の関係性も、大きく動き出すところです。顕史の過去が少しずつ明かされ、なぜそのような人になってしまったのか、現在とつながってきます。何をしようと、何が起ころうと、常にそばで支え、嘘のない真っ直ぐな気持ちを伝えてくれる修人の存在は、顕史にとってとても大きく、優しく温かい愛が少しずつ顕史の心もストーリーの雰囲気も角張ったものを溶かし、柔らかくしていきます。しかし、男達の思惑や所業が、穏やかに愛を育んでいる2人を引き裂こうとし、ジェットコースターのように加速していくので、ドキドキハラハラの連続です。最後まで気の抜けない展開が続きますが、辛かった分おっきな幸せが待っていますよ!

全部読んで、あのシーンのあの言葉や行動はこういう意味だったのかと納得できたり、ストーリーの持っていき方に改めてすごいと感心したりと、すぐに読み返したくなりました。伏線の散りばめ方や伏線回収といい、物語の緩急といい、一本の大きな道筋に向かって配置されてある細かい道標が実にお見事!

辛く苦しいシーンもありますが、彼らの幸せをただ願ってくれる人達もいて、温かい宝物たちにも涙しました。救われたのは顕史だけでなく、修人もまた人を愛することで救われ、変わっていきます。彼が画家であった意味を理解した時、ぐしゃぐしゃになるまで泣きました。

涙なしでは読めません。本当に素晴らしい作品です( ;∀;)2人の幸せよ、永遠に…。まだまだ余韻に浸っていたい…(*´꒳`*)
いいねしたユーザ25人
レビューをシェアしよう!