このレビューはネタバレを含みます▼
高2になった黒沢の担任は国語科の吉岡になります。見た目も言動も卒なくて完璧っぽい吉岡とは相容れないものを感じる黒沢でしたが、校舎裏で一人昼食を摂っている時、非常口で煙草を吸う吉岡と言葉を交わしてから意外と完璧で無い吉岡に興味を持つようになります。登校中に、お昼時に、色々と話すようになり、黒沢は吉岡が顧問を務める文芸部に入部するのでした。週に一度の部活を楽しみにする黒沢は、やがてその気持ちが恋であることを知ります。妻と別居中で正式な離婚の近い吉岡も黒沢の気持ちを知っていますが、教師と生徒であり、高校生らしい一過性の想いだと自分の気持ちを整理します。それでも吉岡は、黒沢といると教師や大人としてではなく一人の人間としていられることを自覚しています。DKらしい黒沢の純粋さとそれを受け止めてやれない教師である吉岡との抱擁が切ないです。儚く終わったDKの初恋は6年経って再び燃え上がります。大人になった黒沢の変わった部分、変わらない部分、どちらも良きでした。