禽獣の系譜
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禽獣の系譜

花郎藤子/石原理

愛の讃歌

ネタバレ
2023年8月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 言葉にできない…、この持って行き場のない気持ちをどう処理したらいいのだろう。
どシリアスな任侠BL、甘さも余計な心理描写も一切なくストーリーに忖度もない。だけど、それこそが今作を不朽の名作、傑作に至らしめた所以だと思う。
悲惨な状況かつ衝撃的な展開に何度も胸が締め付けられますが、とにかく烈が望んだことは自分の居場所だった。愚かに見えても蔑まれても誰かのそばにいたいと烈の全てで訴えているように感じました。
文中で烈が気に入っていた「愛の讃歌」、読後に聞いたらストンと腑に落ち泣きました。ずっとひとりぼっちだったけど、最後は待ち焦がれていた居場所を得た。2人にとってはこれが最善の形だったのかもしれません。
この作品を描ききって下さった先生に感謝します。気持ちが昂り痺れました。タイトルも秀逸!最高です。
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