インターネット・ラヴ!
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インターネット・ラヴ!

売野機子

憧れが明確な形になって、そして

ネタバレ
2023年9月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ Twitterで1話見て、単行本(紙)予約しました。エロなしなんですけど、そんなん必要ないくらいに純愛なお話でした。

バイはクィア(LGBTQに属さない人たち)の中でも見えない存在で、男と付き合っても「どうせ女の方にいくんでしょ」と真面目に向き合ってくれないという美折のセリフ。作中、明確に尾を引く暗い部分と言えば美折がウノのネットストーカーくらいな所しかないんですが、要所で行動の理由に気づき、ハッとなる部分が多いんですよね。
美折は一人っ子で両親からとても愛されて育ったので(男もイケるとバレたのは家で致してるのを見られたからだけど両親が学んで理解してくれたので平和)、なんというか…傷ついても根っこは1人で補強できる強さがあるのでセリフで人となりが解るんですよね。だからこそ元カノ元カレとも未だに仲良しな所とか、ウノが彼女から「(不自由なく与えてきてもらった事により自分の存在価値を見知らぬ誰かに肯定してほしくてなってしまった)SNS依存」について心配されてる場面で、彼女に嫉妬を微塵にも滲ませず「ウノの良い所」を叫んで「仲良く…お幸せに」と言わんばかりに去っていったり。
そりゃウノの鈍い所に振り回されたりはするけど、美折の純粋さ、ウノから告白されてぶっ倒れる所で総てが集約されてる。あまりの衝撃で倒れるんですよ。限りなく0に近い1%の望みが叶っちゃった瞬間ですよ。勝利を期待してたら普通は泣いて喜ぶ所を、あまりの衝撃でキャパオーバーするから倒れるんですね。
もう周りは「ヤッタ〜〜!(祝福)」ですけど、美折だけは「マジ?!」状態なの………いや、これは今までの恋愛とかがあまりに無自覚で片一方だったから自己肯定が低いのかな…皆で明るいし本人も陽気だから、よくよく蓋を開けてみると…って感じなのかな……ある日突然、消えちゃうタイプなんだろうか美折…
でもさ、ウノと幸せになれてよかったしこれからも幸せで居てほしいな…
他のBLは別れないんだろうなってくらい非リアル感を結局は感じさせてくるんだけど、これはあまりにも隣に居るような話なので、ウノと美折がもしこの先、大恋愛を経て別れを選ぶ瞬間が来てもその後も、ずっと他の元カレ元カノたちみたいに仲良いんだろうな…
200Pもないしあっという間に見えちゃったけどさ、あまりにも突き刺してくる部分が多すぎて感想文書きました。
良すぎるんよ…気づいたら感想文書いてたくらい良すぎる。見ろ。
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