穢れのない人【コミックス版】
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穢れのない人【コミックス版】

虫飼夏子

愛と赦しを与える穢れなき人

ネタバレ
2023年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 海辺の街の神父・木場×冤罪を着せられた元神父・秋鷹。男児を犯し殺した罪を着せられ、15年振りに刑務所から出てきた秋鷹。否定され非難を浴びて、死に場所を探していたところを神父の木場に助けられる。上下巻だけどそれぞれに短編が入って総159ページずつと比較的短め。でも内容はずっしり重かった。秋鷹を救ってくれたはずの木場の秘密、それを知ってしまった秋鷹と木場の歪な関係、木場の抱える底の見えない深い闇。被害者と加害者ははっきりしているけれど、愛するということ、赦すということ、真に裁かれるべきは誰なのか、考えさせられました。この先も決して平坦ではないけれど、彼が赦される時を願ってしまう。BLというより人間愛かな。ペドフィリア関連なので苦手な方はご注意を。同時収録の短編は上巻が本編と似たテイストのメリバ、下巻は拗らせ童貞王子×地味男子。
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