親友の「同棲して」に「うん」て言うまで
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親友の「同棲して」に「うん」て言うまで

ろじ

これは良いモダモダ!

ネタバレ
2023年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●良いモダモダ…と思ったのですが…そうでもないレビューが結構多い…?総184Pで短め(本編だけだと160Pくらい)で、えっちもありませんが、心情の描写が丁寧で、とても満足感ありました。
●「恋人」「親友」の言葉にがんじがらめに縛られてる航。その根拠がこれまで付き合っては別れてきた経験から…というのはちょっと弱い気がしました。歴代の彼女たちより、湊はよっぽど特別なはずなのに、それでも乗り越えられない?特別すぎて逆に「恋人」になって失うことを恐れてしまってる。
●「親友」でいたいと頑ななわりには、「好き」の気持ちには蓋できなくて、ゆらゆら揺れて、気持ちもダダ漏れ。しょうがない、だって好きなんだもんね。この優柔不断&身勝手な航に共感できるか否かで評価は分かれそうです。
●一方の湊。こちらもまあまあ自分都合で動くんですよ。気持ちには正直だけど、言葉足らず。顔色もあんまり変わらない(…のか、変えないようにしてたのか)。湊の「好き」は、果たして航にどこまで伝わっていたのか。
●うまく噛み合わない二人だけど、「湊が/航が大事」っていう気持ちにはブレがない。航は自分が身勝手なことを、湊も自分が不器用なことを自覚してて、そんな自分を自分でちゃんと紐解いて噛み砕いて、相手に向かおうとしてる姿がいいなぁと思いました。
●そして写真。撮る人の、対象への想いが写り込む写真。これはもう、決定打だよなぁ…。写真をきっかけに出会った二人が、10年経って、また写真を通して前に進む。本当は「恋人」「親友」なんて言葉にこだわらなくたって、「10年目も20年目も隣にいたい」で十分なんですよね。うん、良かったです。
●私は本作が作者さん初読でしたが、作者さんの他の作品と比較して評価を下げておられる方も複数いらして、逆に他作品を拝読するのが楽しみになりました!
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