ホワイトライアー【単行本版】
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ホワイトライアー【単行本版】

芹澤知

「嘘つき」がどこに掛かるのやら?

ネタバレ
2023年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「澄ました表情」と「無邪気な笑顔」が重なる白っぽい表紙と、ホワイトライアーというタイトルのおかげで気になってました。新作にも使えるクーポンが来たのを機に読んでみたのですが・・・ふむ。作家さんが自己紹介のとこで仰ってる通り、確かに最初と二度目では味が変わるお話ですね。
ホワイトライアー(直訳すれば白い嘘つき?)が果たしてどっちをさすのか。素直に読めば様々な役に成りきってしまう「俳優の大河」なんでしょうが、慧の前で余裕のある男のふりをする大河ともとれるし、トラウマのせいで深い仲になるのを避けようとする慧の側ともとれる。でも、役者としては確かに”嘘つき”ではあるかもだけど、大河本人はわりと正直な性格って気もしちゃうんですよね。(*´艸`*)

2人が出会った場所が、掛け違った互いの想いを戻す手掛かりとして使われてるあたりの展開も好きだし、先輩役者さんに言われた「自分を取り戻すための縁」がつまり慧なんだろうなぁと考えると、こう・・・不思議な気持ちになりますね。慧の側は偶然ってことなんだろうなぁ、カット!のあとに頭にタオル掛けてるのw(わたしの深読みしすぎじゃないといいな~)

まぁともあれ、表紙を見た第一印象どおり、不思議な読後感のお話だと思いました。
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