またね、神様
」のレビュー

またね、神様

ヴヤマ

救済の名の下に潜む歪んだ関係にゾクゾク

ネタバレ
2023年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ いやいや、読み始めのほのぼの少年漫画タッチの関西弁男子たちのおぼこいストーリーなのかなあ、と思わせてからの、突然色気を放ち出す目、舌の表情…この絵のタッチの切り替えで分かる闇の世界への入口。

そこから描かれる宗教的性的児童虐 待のおぞましさがエグいんです。
そんな時でも、なんとか合理化を図って心の平穏を保とうとする、受の幸太郎の健気さ。人間としての一種の防御反応なんだろうと思いつつ、早く気付いて、誰か救ってあげて、と思わずにはいられない胸苦しさがエゲツない。

そんな幸太郎に惹かれる攻の亮が正攻法が通用しなくて講じた手段が、なんとも闇で。
詳しくは本編を読んで!なんだけど、あれ、亮、幸太郎が離れられなくなるよう、罪悪感を幸太郎に植えつけてないか…?とか、自分が幸太郎が依存していた母の存在を排除して、自分がそれに代わる存在になれば良いと思っているみたいだけど、それって結局幸太郎を自分に依存させて離れられなくする手段としてないか…?とか、色んな意味で人と人との関係性について、読んでいる間、ゾクゾクしながら考えさせられてめっぽう面白かったー!

受の愛を得ることが第一の目標となってほかのことが目に入らなくなってしまう攻の愛は、これはこれでBLらしくて大好物。

巻末書き下ろしの普通の高校生らしい2人は癒しだなぁ、こりゃ。

自分だけが幸太郎を救える存在…いわば神ですかね…なんだと考えている亮が、歪んだ世界から抜け出した幸太郎からタイトル通り「またね」と言われる日が来るのか、来ないのかが気になってまう。まだ未完だけど、続きが気になる注目作!

ちなみに、単話は女性コミックカテだったけど、単行本からBLカテになってますw
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