由利先生は今日も上機嫌 由利先生シリーズ(1)
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由利先生は今日も上機嫌 由利先生シリーズ(1)

木下けい子

昭和レトロが舞台の変人作家×新人編集

ネタバレ
2023年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 戦後の東京が舞台のお話。人気作家の由利京一郎は変わり者で、新人編集者の六車くんは苦労しながら日々ひたすら真面目にお仕事しています。〆切前の百合先生は駄々をこねては六車くんをあっちこっちにパシらせるのでした。ある日、六車くんは田舎に帰って家業を手伝うことになったと由利先生に伝え、今までのお礼を言います。六車くんが可愛くて色々困らせては楽しんでいた由利先生は、それを聞いて大いに拗ねて我儘を言って引き止めようとするのでした。たまに田舎言葉の出てしまう六車くんの純情可憐さはもちろんですが、六車くんに対する由利先生の子供みたいな我儘や拗ねたり妬いたりもなかなか可愛いのです。そして六車くんは由利先生の我儘に一生懸命に応えているうちに、いつのまにか立派な嫁になっているのでした。レトロな時代背景が得意な作者さまらしく、建物から服装、小物までが丁寧に描き込まれていて独特の世界観が楽しめます。カッコ良くてちょっと意地悪な由利先生と、そんな由利先生に振り回されて泣いたり赤面したり忙しい六車くんとのお話は『由利先生と愛しき日々』に続きます。
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