昭和レトロの何とも言えないのんびりした空気感が伝わってきました。テレビや映画でしか知らない時代の話なのに、どこか懐かしい気がして、雰囲気と先生の絵がとても合っていたと思います。
由利先生の文豪らしい我儘に振り回されたり、簡単に丸め込まれるチョロい六車が可愛くて、遊びたくなる気持ちも分からないでもなかったです。同じく文豪らしい謎かけのような恋愛のアプローチには、とことん鈍い六車に笑ってしまいました。何だかんだ作家と編集としてもカップルとしても、お似合いの二人のやり取りがほのぼのしていて楽しかったです。
そんな風にほのぼの楽しいながらも、由利先生の大人の魅力と戦後の影のような部分をかけたような渋み・落ち着きのあるお話でした。