春に孵る
」のレビュー

春に孵る

国枝彩香

例えるなら、BL版千夜一夜物語🌙

2013年11月5日
全P196。6作品+あとがき。
やわらかく綺麗な画で、繊細そうな作品だなと気になっていた、初読みの作家さんでした。

あるサイトで見かけたのですが、ほのぼのとシリアスの振り幅が大きい…とありましたが
、この作品はシリアス路線に大きく傾いた作品集でした。
1『春に孵る』はあとがきにもありましたが、業の深い作品。
ラスト、大学生となった佳苗がああ云う選択をとるとは……。

余談ですが、業の深い血縁者。狂った世界の救いはどこに…とふと、ジュリエットの卵と云う作品をまた読みたくなりました。


2『当然の結末』これもあとがきからですが、ミもフタもない話しでしたf(^^; 同期で友人だったノーマルとゲイの会社員。そうホイホイとゲイには転べませんでした(o-∀-o)


3『十三夜幻灯』死に瀕した男と、彼岸の原に永遠に住まい続ける男の話し。作者さんは妖艶な長髪を目指したそうですv(この作者さんの描く顔のベースは、短髪も長髪も似合いますね😍)


4『枷、或いは束縛』出だしから、スティーブンキングのミザリー的な結末をちょっと創造しましたが、そこはBL。あ、先生、そちら側でしたかvv


5『夢のあとさき』テーマはソフトSM。この中作品集の中では、ほのぼの路線かな?


6『手のひらの上』私はまだ未読ですが、「耳たぶの理由」の主人公ふたりのその後のひとこまのようですね。
ストーリーと言えるストーリーはないので意味不明とは言いませんが、やはり本編を読まないと二人の立ち位置やキャラが分からないので、クスリとした笑いドコロも分かりにくいかな?と感じました。


レビュータイトルにも書きましたが、全作読んで感じたのは、BL版千夜一夜物語集。
重めでバッドエンド的な作品が多い一冊。
私は1と3が読み切りながら、読みごたえがあり良かったと感じました。
この二作品だけなら★4つでした(^∀⌒☆
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