このレビューはネタバレを含みます▼
*全26巻読了して何日か経ちました。
『イムリ』の世界からなかなか帰って来られず、他の作品も読みたいのにそれもままならず難儀しています(爆)
最終話読了後以降、怒涛の荒波のように押し寄せてくるありとあらゆる想い、感情の大渦を我ながら持て余して…さすがにそろそろなんとかせねばと思って、レビューを書いて昇華させることにしました。
大学時代に英米文学の講義で学んだ【主人公論】がぐるぐるしています。
文学作品における【主人公とはいかなるものか】を定義づける内容で大変おもしろかったのですが、ものすごくザックリ言うと【主人公とは:空間的/時間的な移動を伴ってその内面が最も大きく変容する人物である】と。
空間的移動というのは物理的な場所の移動です、旅行でも引っ越しでもなんなら散歩でもいい。
時間的移動というのは、1分でも100年でもいいから時が経つこと。
その空間的/時間的移動を経て〈内面的変容が最も大きい人物〉が【主人公】である…ということでした。
さてではこの【主人公論】に乗っ取って読むと、『イムリ』の主人公は一体誰だったのか。
(ここから盛大にネタバレします、未読の方は回れ右してください)
ずっと物語の展開の主軸を担っていたのはデュルクです。
デュルクはマージからルーンへ、さらにアーツウォーネスからイムリ大陸へ移動し、たくさんの人々と出会いながら何年もの時を経て逞しく成長していきます。
間違いなく主人公の器。
しかし物語の全編を通して〈最も大きく〉〈内面が変容した〉のは誰だったか?
それはやはり、、ミューバではなかろうか。
この視点のおかげで、私は22巻で「主人公が変わったわけではない」と思えたのです。
《双子が共に主人公》それも間違いない。正しい。
でも最終的にミューバが変わってこそ、救われてこそ、この物語の真髄が輝き出すのだと思った時…改めて泣きました。
あの悪の権化のような狡猾爺ィさえもが変容し救われた。
これでデュルクが救われないわけがないっ(号泣)
(ドープもラルドも救われて欲しかったよぉ〜大号泣)
(でも彼らは変容してないのよね…常に善であった…涙)
デュルクはミューバと笑顔で手を取り合って行動再開するんだ。
乱丈先生ー!その部分を1話だけでもどうか続きを!どうか!
(つかこれスターウォーズ的に「Episode1に戻って続く」ってヤツですよね?)字数足らん