琥珀色の熱視線
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琥珀色の熱視線

綿レイニ

恋愛に不釣り合いなんてないんだね

ネタバレ
2023年12月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ レイニ先生の新刊の本作は、ノンケの柚稀が、ずっと憧れの親友だった幼馴染の琥珀から高校の卒業式で告白されて、別々の大学に通う中で同性の親友の恋心にどう向き合ったらいいのか、と悩む様子をじっくりと丁寧に描いた柚稀の成長譚のような味わい。
大学に進学して環境も変化する中、完璧な存在だった親友が、自分を好きだったことに対する戸惑い、それに伴って今までとは違う素の琥珀の姿が見えてきて大切な親友だからこそ失いたくない、けど恋人になったら親友でいられなくなるのか、と揺れる柚稀。レイニ先生が構想3年かけただけあって、繊細な感情の動きが絵やモノローグで語られ、柚稀が固定観念を取り払って、等身大の琥珀に向き合うまでの過程が自然に描かれ、2人の感情に移入してしまう素晴らしさ。
特に、柚稀の前で完璧でいようとした琥珀が、強がりを保てなくなってもろさを柚稀に見せるシーンが良い。こんな強がりさんがもろさを見せたら恋に落ちるしかないーーと胸が震えました!
最後に柚稀が勇気を出した後のtin×2のコンニチハの図、描き下ろしでの初エチ&tkb攻め耐久対決が微笑ましい。普段余裕のある琥珀が感情が高まった時に見せる泣き顔も何ともエモい。
幼馴染のノンケとゲイ君の葛藤を描いた作品は多々あれど、ノンケ君が完全に見上げていた親友と、そんな彼の期待を裏切りたくなくて完璧な存在でい続けてきたゲイ君が、ゲイ君からの告白をきっかけに、それまでの関係性が変換する様をビビッドに描いたところに新鮮味がある良作
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