恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。
」のレビュー

恋した人は、妹の代わりに死んでくれと言った。

永野水貴/とよた瑣織

納得の5巻

ネタバレ
2023年12月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミカライズから入り、先が気になりこちらに辿り着きました。確かに手に汗握る展開の4巻と比べると5巻はスローペースな気がしますが、私はこの時間の流れ、時間の長さは必要なものだと読んでて感じました。それだけウィステリアが暗闇で過ごしてきた23年間という長さがどれだけ重かったのか。
元の世界に戻ってきたからと言ってはいすぐ適応出来ましたって訳にはいかないその時間が物語っています。
よくある他の人が感じる心情も丁寧に書かれているし、ロイドの心の動きも静かに気付かぬうちに、いや気づいていたかもしれない熱い決意も最後に取って見れた。
だからこそ、次の巻でどう物語を動かしていくのか気になって気になって仕方ないです。
真実を知って簡単に「ざまぁwwww」展開には出来ない……むしろみんな不幸になるのでは。。。
そんな心配さえ出てきてしまいます。
ロイド自身も苦しむだろうし、ロザリーだって姉を追いやった張本人が愛してる人だなんて知る瞬間を見るのが怖いし、ウィス本人も身を引いてしまうのでは無いかと。
殿下のことに関しては、ロイドがウィスを選んだ時点で剣の師に誓い建てしたものを反故する形になる訳だし、どうまとめていくのだろうと気になって仕方ないです。
どちらにしても、ウィステリアにはしあわせになって欲しい。元の世界でも魔法を取り戻して芯の強い女性として幸せになって欲しい。
5巻は静かに時が流れ、静かに泣けました。
いいねしたユーザ26人
レビューをシェアしよう!