このレビューはネタバレを含みます▼
単話1話を読み、それ以降の無料立ち読み分だけで紀人が好きなタイプと確信したので、単行本発売を首を長くして楽しみにしていました!
結果予想通り紀人が最高にカッコ良い。
普段は飄々としてマイペース、掴みどころがなく腹のうちを見せない感じなのに、慶臣にはストレートに愛情を言葉にするところが潔くて素敵です。
また行きつけのお店の人だったり、弟の慎仁だったり、職場の人間等周りの人が、紀人の人となりをセリフやモノローグでさりげなく説明する事で、益々魅力的なキャラである事がわかるのもいいです。
父親との確執も気になります。(父親と同じ職に就いたくらいだから少なくとも父親に尊敬の念を抱いていただろうに5年前に何があったのか?)
最後の黒幕に対する追い込みも、表向きは淡々と仕事としてこなしてますが、その内側に大きな怒りを感じました。
紀人の事ばかり書いてしまいましたが、他のキャラ達も大変魅力的です。
双子2組のそれぞれの関係性も良かったです。
三輪は置かれた環境のせいで双子だけど慶臣と身長差があるのかなとか、慎仁は紀人の本心や真意を見抜いてくるから紀人にとってはあんまり話したくない存在なのかな、とか。
慎仁と三輪は紀人と慶臣とは違った関係性を築いていて、それもまた良い。
下巻のお祭りからの初めて紀人と慶臣が致すところはとにかく美しくて、言葉少なに進んでいくのが余裕のなさを感じられて、あぁお互いの気持ちが溢れてしまったんだなと。とても好きなシーンです。
事件の関係者である慶臣を暴く過程で、紀人自身も慶臣に暴かれてしまったんだなと。
メインの4人の名前や設定、話の流れなど細部まで練られており、何度も読んでも新しい気付きがあります。
こんなに魅力的な登場人物達をこれで完結にするのはもったいなく感じるので、こまどりも続編を切に願います!!