薔薇色の人生【イラスト入り】
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薔薇色の人生【イラスト入り】

木原音瀬/ヤマシタトモコ

優しい光の元で穏やかな日々を送ってほしい

ネタバレ
2024年1月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 木原先生の作品は、私の中で抜きん出て辛い描写が多くて、興味はあるし評価も高いけど、どうしても内容を選びがちです。軽めの作品(今のところ5作)を選んでるつもりでも精神的に削られるというか…心がヒリヒリ、胸が潰れるような気持ちになる事が多いです。今回もそれなりに辛くはありましたけど、それでもタイトルに結びつくだけあって、最後はほっと小さくとも安堵できる展開だったと思います。
百田の置かれた状況は、誰から見ても「人生のどん底」と言えるもので、それが何度も何度も…それも最悪のタイミングでやってきて、追い詰められた百田が取った行動も理解できます。ロンちゃんと知り合った後も数年は心身共に厳しい日々が続きますが,百田が歩いていたのは歩き続けたところで出口があるか分からない洞窟ではなく、前進しさえすれば必ず出られるトンネルだったのですね。ロンちゃんという優しい光の元に辿り着けて本当に良かったと、心から思えました。慎ましくも小さな幸せを噛み締めながら穏やかな時を過ごしていってほしいです。
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