お隣さんはしたくないのに【単行本版】【電子限定特典付き】
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お隣さんはしたくないのに【単行本版】【電子限定特典付き】

するがしぎ

話が稚拙

ネタバレ
2024年1月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1話の試し読みやタイトル、デザインなどから想像した話と実際の本編の乖離をかなり感じる。
エロ話で描くのか、設定物として描くのかの一貫性が欲しかったと思う。
1話は出オチのような始まりで、所謂つかみで読者を惹き入れる「エロ振り」が盛り込まれた分かりやすい手法の始まりになっているのに対して、実際は「褥狂い」という特殊設定が盛り込まれた設定物の漫画でした。
どう考えても1P目や冒頭に「褥狂い」の説明を入れるべきだし、それを中心に話を進めていくべきだったと思います。その構成にしなかった、もしくは出来なかったが為に今作のような残念な話になってしまった印象です。あの冒頭から、若干ミステリーみすらある「褥狂い」という設定物の話は振れ幅が大きすぎる。
エロシーンも設定物には向かない肉欲的な表現な為、こちらの作者に設定物の漫画は向いていないと思いました。いくらでも「褥狂い」の設定を入れた上でアホエロの漫画に出来たと思いますよ。そしてそっちの方が向いていたと思うし、読者も突然の設定物という構成にキョトンとしなかったと思います。
それと、話の中で攻めと受けのモノローグが話数で分けられる事なく普通に出てくるのがかなり読みづらかったです。主人公が受けならば、基本的にセリフ枠を使わないモノローグは受けのみが表現するべき。数ページ前で受けのモノローグだったかと思えば、直ぐに攻めのモノローグになってしまうなどが多用されている為、「え?この言葉は誰が言っているの?というかどっちが主人公?」と混乱する事が多々ありました。攻め受け共にモノローグを使用したいのであれば、せめて話数を分けるか、もっと分かりやすく場面転換すべきです。それか登場主要人物が3人以上居る場合ですね。
そういった、漫画の手法的にも稚拙な部分が多く伺える作品でした。設定自体は面白かっただけに残念です。エロ作品として読むには途中の謎解きがめちゃくちゃ退屈だし、設定物として読むには穴がありすぎる上エロが肉欲的すぎる。
エロ振りして何も考えなくても読める話の方が向いていたと思います。満足感は非常に低い。
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