愛だなんて言わないから
」のレビュー

愛だなんて言わないから

日暮くれ

愛されたい(愛されてる)側の人の話

ネタバレ
2024年1月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本誌で3話あたりで見つけて、終わりの始まりを感じ取っている聖人が切なすぎて、絶対別れてほしくないから最後が気になって本誌で最終話を読んでガッカリし…試し読みやpixivで冒頭と前日談を読んでここのレビューを読み…やはり単行本は買わないことを決めました。藤次は聖人に全く気を許してない(セ◯レとかな)訳じゃないし、ちゃんと愛のある関係性を築いていたのに、あまりにも不誠実で無神経…。過去の人への執着が消えないのは結局、手に入るはずだったものを自分のミスで手に入れ損ねたからじゃないでしょうか?「好きな人傷付けたばっかり…」とか言いつつ、もう次(八千代は特別だから傷付けたくない)を見れてるんだから「好きな人を傷付けるような"自分"」にショックなだけで、別に聖人自身を失うことは受け入れられてるんですよね。まさに、相手から気遣われ愛されてることが当たり前になっている、自分の言動には甘い、愛されたい側の思考だなって思いました。過去の回想の入り方、空気感や絵など好きだなと思える新たな作家さんを見つけて嬉しかったのですが…本作については、あぁ、こうやって浮気は美化されていくんだなって感じました。まぁ、理屈じゃなくて運命が好きとか、すれ違いの切なさに酔いしれたい人とか、人に愛されたい側の人が読むと色んな愛の形を感じられる話なのかもしれません。私は愛を押し付けるだけの人も、人の愛に甘えるだけの人も嫌いなので、八千代の幸せを願ってるだけとか言いつつ執着心だらけで不誠実な藤次も、綺麗事ばかりで覚悟のない八千代もどっちも好きにはなれず、周りのお膳立てありきで生きてる2人の未来に何の興味もわきませんでした。それよりも、聖人の未来に、ちゃんと思いやりや気遣いに感謝を感じてくれる、互いを大事にし合える素敵な人が現れることを祈るばかりです。
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