よだかの恋人【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】
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よだかの恋人【電子限定描き下ろし漫画付き】【コミックス版】

央川みはら/阿賀直己

詩的な文学メタファー

ネタバレ
2024年1月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 小説を書くことが個人内コミュニケーション(内省)になっているようで、モノローグのような、小説の一部のような感じになっている。

孤独を知っているのに、他者には表現できず、小説で表現する2人。寒原は、親と縁がなく育ててくれた祖母は認知症に。匡平は、持病があり子どもの頃から長期入院を繰り返していた。心情を語らない。語れない。小説を書くことは、手段だったかもしれない。

匡平は、入院中に読んだ小説とその小説家寒原夜鷹に憧れて、浪人を重ねて同じ大学に入った。が、入学したときには、寒原は卒業していた。

OBが来る飲み会で寒原に会い、突拍子も無いお願いをされる。色々と縁があって、住み込みで寒原の面倒をみるうちに、憧れは恋情に変わる。

不器用な2人が、好きを自覚し心と身体を交わし、生きる喜びを知っていく。
絵も話に合っていたなぁ。素敵な作品でした。
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