拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ
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拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ

由姫ゆきこ/八色鈴

不器用な恋というにはあまりにも…

ネタバレ
2024年1月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ プッシュ作品ということで、なんとなく4巻まで読了。
ここまで読んでみて、登場人物皆ペラペラにしか思えなかった。

まずオスカーの心の内が全く理解できない。
王女で尊い存在な上に恋に落ちてしまったからと、自分が無理矢理政略結婚させた罪悪感と独占欲がこじれて、素直に愛することが出来なかった。
こう文章として読むには良いけど、やってることがまぁまぁキチク。

リデルももうちょっと積極に想いを伝えれば…と思う部分はあるけど、これだけ人の話を聞かず拒否感ばっかり示されたら、萎縮するのは仕方ないのかなと。
何故かはずれ姫と呼ばれていた経緯から負い目があったのだろうし。

で、このまますれ違ったまま色々な誤解がありながらも気持ちが通じ合っていくのかと思いきや…
身勝手な嫉妬から最悪な形で初めてを奪うという。

嫉妬からの枕を交わす展開は、リデルも無理矢理にやられたとはいえ好きだからこそ辛いと嬉しい気持ちの狭間にいて、その後少しでも想いを吐露してくれていたら良い方向に進むキッカケになっていたはずなのに…

結局オスカーのただの自分よがりの乱暴になっただけ。

子供が出来ても特に距離が縮まることはなく、悲惨な結末を迎えてしまうことに…。
これじゃあもう2人のハッピーエンドは有り得ないよね。

で、第2の人生が始まったのに、前世を思い出してからはあれよあれよとまたオスカーの側に。

いや、子供を見守りたいのは分かるんだけど、それにしても流され過ぎだろ。
折角幸せな今世を送ってた訳で、同じ魂だとしてもジュリエットの人生は置いてけぼりに、変わらず心は囚われたまま。

なのに従兄弟が今までと態度が違うことにショックを受けて、低い身分だからどうこうと勝手に納得したのは流石に意味が分からなかった。

それでいて愛人だと思ってた女が魂が見えるわ、義妹だったと打ち明けるわ、オスカーの気持ちを勝手に伝えるわ、
マジで都合よすぎ!!!

お互いかどちらかが、自ら動き寄り添おうとする過程で、捻れが解けていって通じ合っていく。ならまだマシだった。

でもこれ、しんでからしか後悔できないクソ夫と、パワハラDV夫をしんでからも愛する馬鹿な妻、でしかない。

オスカーの「愛していた」に、この言葉が聞きたかったと涙するリデルは、本当に呆れた。

この話は不器用な恋ではなく、愛を盾に自分の気持ちしか考えていない盲目な2人の話です
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