手中に落としていいですか【単行本版】
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手中に落としていいですか【単行本版】

くれの又秋

4巻まで読了

2024年1月27日
初めて読む作者様でしたが、思い切り心臓を鷲掴みにされました。
糸目を見つけたら現実でも漫画の中でも推さずにはいられない性分の持ち主なので、こちらも巳鹿島の糸目に惹かれて購入しました。しかし、物語の最初の方こそ糸目を愛でる余裕があったのですが、すぐにストーリーに引きずり込まれ、ドキドキしながら糸目そっちのけで夢中で読んでいました。
実を言うと割と終盤まで巳鹿島は裏でヤバい事してるとか、とんでもない闇を抱えている裏の顔があるとか、とにかく「こいつはヤバい奴に違いない!」っていう思い込みが私の中にありました。4巻を読んでようやく、「あ、なんだ、可愛い糸目そのまんまの、めっちゃ良い人じゃ~ん!」って気付きました。いやむしろ、漫画の世界でも滅多にお目にかかれない360度全方位的に良い人でした。優しさや気遣いが完璧すぎて怖いくらいです。だから裏があるように見えちゃうのかな?
最初は少し絵が苦手かもしれないと思ったり、「どこまで焦らすんじゃ~!」っていつまでたっても進まない関係にヤキモキしたりしましたが、4巻で全てが吹き飛び、私はこれを読むために生きてきたのかもしれないとすら思いました。とにかく昇天しそうなくらい良かった・・・。焦らされた分、余計クルものがありました。その頃には絵柄も「これじゃなきゃ嫌だ!」って思うくらい好きになっていました。
私は察するのが苦手で、作品によっては「察してください」という空気を漂わせるだけで明確には表現しない部分があったりするので、その度にモヤモヤします。でも、くれの先生はそんな私でも察することができる表現力をお持ちでいらっしゃる。画面上のあらゆる要素を駆使して言葉の部分を補っているので、私のような者にも察することができるんだと思います。大変ありがたいです。特に4巻最後の長い長い2人の絡み。私の中に流れ込んでくる情報量が膨大過ぎて脳みそが爆発するかと思いました。これはもう、とにかく読んで欲しい。みんなに読んで欲しい!!
やっと思いが通じ合った二人がこれからどんなお付き合いをしていくのか、続編が楽しみで仕方ないです。
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