舞妓さんちのまかないさん
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舞妓さんちのまかないさん

小山愛子

好きだけど…

ネタバレ
2024年1月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ あちこちでよく6巻まで無料で読めるようになっていて、それを何度か読んでいるうちに先が気になってしまい、勢いで22巻まで購入してしまいました。
私も健太が京都に出てくる展開は面白くないと思います。
野球一筋だった少年がいくら怪我をしたからといって高二の途中まで通っていた高校を中退していきなり京都の洋食屋に…いうのはちょっとあまりにもおかしすぎます。なんぼフィクションでもこれはないだろうと思いました。時代設定がもっと昔なら良いけどスマホがある現代の話ですからね。

せめてどうしても健太が京都に出て来ざるを得なかったという理由付けが欲しかったです。

だって学校辞めて女の子追いかけて京都に来るなんて正直みっともないしキャラ崩壊してないか?と思うんです。健太はもっとしっかり自分の世界を持ってる子だと思っていたのに。

京都に出てくるにしても料理人だと微妙にキヨちゃんと被るし、もっと他の職業でもよかったのでは。
健太のキャラ的には伝統工芸の職人見習いとかの方がしっくり来たと思います。
自分の店を持つのが夢だと語っているけど、そもそも何故料理人になりたいと思ったのか?何故高校を中退したのか?その辺が一切描写されてないのでやっぱり今の健太をかっこいいとは思えなくて。
恋愛要素自体は全然嫌じゃないです、年頃の少女たちの物語なので登場人物が恋するのは普通かなと。
あの三人の関係性は概ね微笑ましいと思いますが、どこか危うさも感じます。
少し依存が入っているような、三人だけで世界が完結してしまうような閉鎖的な空気があるので、ちょっと心配になることも。

あとずっと気になってるのはキヨちゃんはまともにお給料貰ってるのか?ということ。
銭湯とその後のアイス代くらいしか使ってないのに、いつもお金がないと言っているので心配になるんですよね。
あれだけ労働してるのに給料もらってないんでしょうか?未成年が不当に搾取されているのだとしたら全然ほっこり出来ないんですけど… 。


基本的にはすごく好きです。
ジブリっぽいファンタジーというか昭和レトロな郷愁があって、ご飯にも日常感とドラマ性があって。
幕間のご飯思い出コーナーも味わい深く、同じ経験がなくてもなぜか共感してしまいます。
やさしい雰囲気に癒されつつも、現実的なところが物凄く気になってしまう、しかし不思議な魅力のある漫画です。
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