こまどりは、夜の帳[コミックス版]
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こまどりは、夜の帳[コミックス版]

露久ふみ

敢えて全部描かないのが逆に良い

ネタバレ
2024年2月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 上巻1〜6話+描き下ろしで236ページ、下巻7〜12話+描き下ろしで222ページ。ある事件の真相を突き止めるために、警察庁に務める紀人が双子の弟で民俗学者の慎仁と訪れた山奥の片阪村。そこで神職につく同じく双子の慶臣と三輪に出会い…。ミステリー作品ですが、完全にミステリーというわけではなく、呪いとか科学で説明しきれないファンタジーっぽい要素も少し入ってます。紀人×慶臣がメインで、二人の心情ががっつり描かれているわけではないので、いつそんなにお互い好きになったのか確かに少し分かりにくいところはあったかなーと思いますが、私はミステリーとBL要素のバランスが良かったと思います。最後の三輪の展開、賛否両論あるようですが、私は好きな終わり方でした。単に風呂敷を広げすぎて伏線を回収しきれず終わったわけではなくて、敢えて余白が残ってるんですがちゃんと伏線は回収されているので、不完全燃焼感はなかったです。分かりやすくハピエンで大団円な終わりが好きな方にはモヤモヤが残るのかも。でも長編小説とか映画のように、最後描かれてないけどこうなるんだろうなと考える余白があるのが好きな方にはハマる作品だと思います。確かに三輪のその後は気になるけど、個人的には慎仁×三輪のスピンオフより紀人×慶臣のその後のお話の方が断然読みたいかな。(←紀人が格好良すぎたのでもっと読みたい)
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