ひだまりが聴こえる -リミット-
」のレビュー

ひだまりが聴こえる -リミット-

文乃ゆき

障害者をテーマに深く刺さる感慨深いBL

2024年2月17日
シリーズ1作目、2作目幸福論と出会い.戸惑い.すれ違い.気持ちを素直に伝える事の難しさ等描かれましたが、今作は障害者と健常者の世界の違いを深く掘り下げた、BLと云うよりかなり重いテーマの作品です。特に聴覚障害者は見た目では分からず、傷つける事が多いし、テレビの字幕や手話等少しずつ変わってきてるけど、まだまだです。こちら側が変わらなければいけないと、つくずく考えさせられます。
太一の幼い頃の複雑で悲惨な家庭環境、冷血で身勝手な両親には怒りを感じます。それでも心優しい祖母、粗くても深い愛情の祖父に恵まれ、素直で純粋に育ったのは素晴らしい事です。千葉さんの弟リュウとの出会いでますます障害者の世界や感じ方に影響される航平。深まる戸惑いとすれ違い......千葉さんが弟リュウに気持ちを伝えて、太一と航平がやっと理解しあえるシーンはジーンと胸に染みます。健常者同士でもお互いの想いをわかりあえるのは難しいし、何も問題無く完璧な人間は居ないので、多かれ少なかれ相手の負担や重荷になります....障害者と健常者ならもっと困難ですが、深い愛情があれば可能であることを願います。太一の祖父の航平への言葉もとても感動的です。これから2人の純愛が少しずつ進んでいくのが楽しみです!
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