このレビューはネタバレを含みます▼
ヒトって、刺激的なモノに対する耐性がつくと、より刺激的なモノを欲してしまう生き物だよね、とBLを読みながらしみじみ思う今日この頃。
はじめの頃は、顔を赤らめて読んでいたR-18作品も、今では修正の程度がどうだとか、構図がどうだとか言って、すっかり「エロ耐性」が付いてしまった…と、R-18を3周しそうな齢になってため息をついていたのです。
そんな多少のエロではビクともしないハートがですよ。
小学生ですらスマホで告白するような令和の時代に、幼馴染のいつきの下駄箱にそっと手紙を入れて…というレトロな方法に、同性同士だから、というエッセンスが加わったことで、こんなに切なくて、胸にズッキュン♐!と来る物語になるとは、とほんっとに驚いたのです。
はじめから、自分と分かってもらうつもりのない、将悟のモノローグ。
一切下心のない、純粋な気持ちが一周回って、胸を打ち、あぁ、まだ自分にもこんなトキメキを覚える感情が残っていたのか、と感動を覚えたのです✨
BLを過剰摂取気味なとき、こういう作品を読むとBLを読み始めた初心に還るというか。なんならちょっくら若返ったような気すらして(←いや、それはない 汗)。
ところで、私の周りで下駄箱に手紙が入っていた手紙で告白されたっていう話、聞いたことないなぁ?と思って振り返ると、今では外履きで1日過ごしたり、下駄箱があっても扉がない学校がほとんど。もしかすると、下駄箱に手紙を入れて告白って、少女漫画で遅刻するって言いながらパンをくわえて登校する少女みたいな、定番のようで実はあまりないシチュなのかも。でもその設定がなければ成立しない物語。は~~、良かったです。