大江戸国芳よしづくし
」のレビュー

大江戸国芳よしづくし

崗田屋愉一

江戸情緒がスゴイ

ネタバレ
2024年3月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 画力の高さに加えテーマが…大好きしかなかった。浮世絵の中でも武者絵に秀でる国芳は特に好き。ちょうど浮世絵の画集を買ったとこだったのでタイムリーでした。
高名な絵師に師事しながらも不遇な扱いを受ける若き国芳に、ある日スポンサー兼プロデューサー役を買って出る大問屋主人との出会いから機会が巡ります。
二人に関わる人々とのドラマが最高でした。成田屋のスター役者に鼠小僧に、御奉行様まで出てくるゴージャスな顔ぶれ。なのに彼らは自然に役割をこなしてて、全力で泣かせてくる。やるせなさと少し安堵な決着に号泣です。
彼らとの経験を糧に絵師として大成する(と描かれている)国芳ですが、彼自身のキャラクターも大変魅力的でございました。史実でも男気に溢れ情深く茶目っけたっぷりの愛すべき人物だったと、幕間のよもやま話にあります。ぜひ作者様オススメ巻末資料も読んでみたい。
後から気付いたが…この方の本いくつか持ってた。流石の実力、BL畑で揉まれた方の他ジャンル進出は良作間違いないと思う。
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