このレビューはネタバレを含みます▼
この方の作品では救済が描かれることが多いように思う。
哀しく底に沈んだ人間を助けたい、という思いが伝わってくるから、いつもこの作者様の作品からやさしさを感じる。
失望・喪失を味わった者のその先の生を、性愛を絡めて鮮やかに蘇らせようとする様が描かれているのだと思う。
毒って自分にとってはマイナスの、良くないイメージを持つものだったけど、この作品においてのそれは美をなすものであり、ティェンランのセリフにあるように本来は大切なものを守るためのものだったんだ、と気付かされる。物凄く美麗で読み応えのあるこちらの長編を読了するころには感動で胸が熱くなっている自分と出会える。
それから、先生の描く人間の体はとても素敵。ジェンだけじゃなくて人間も綺麗。物語も絵も素晴らしいから、何回も読み返してしまう。