クジャクのダンス、誰が見た?
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クジャクのダンス、誰が見た?

浅見理都

目撃者がいなくとも、真実はひとつ

ネタバレ
2024年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 人には「良心」というものがあって、倫理観や一般常識、悪行に対しての嫌悪感等、真っ当から逸脱した事に違和感や罪悪感を持つ。他人が見ていないからと道端にゴミを捨てたりする人が少ないのは、そういう心が働いているからなのかもしれません。
タイトルの意味は!?・・・ジャングルでクジャクのダンスを見た人がいなければ、クジャクがダンスをしていたかどうかはわからない…本当の事はクジャクしか知らなくても、クジャクが嘘をついても、真実からは逃れられない…。この物語は人々の根底にある「良心」に訴えかけるお話なのかもしれません。
登場人物は沢山いますし、その背景も詳しく紐解かれます。けれど、主人公の父が亡くなった自宅の放火殺人と、その父が追っていた20年前の事件の真実につながる人物は…。
登場人物の人生が交錯して謎を深めますが、犯人は意外とシンプルなのかもしれないと思ったりもしています。
人と人の出会いは、偶然かもしれないし必然かもしれない…そんな事を考えさせられる人の繋がりが物語の中にあります。
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