切なくて優しい。





2024年4月2日
ずっとカートに入ったままでしたが、まだ1巻しか出ていないのにマンガ大賞受賞?と驚いた勢いで購入しました。読んで良かった。仕事柄、宇野くんや小林くんのような子たちと接することが多いのですが、その苦しさ、可笑しさ、愛しさが分かりやすく、しかし読者がそれぞれに感じ取る余地を残す形で描かれています。作者が「言語化しない」ことにこだわったお陰で、より多くの人が共感できる内容になっているのではないでしょうか。特性を持つ主人公のお話は他にもたくさんありますが、この作品はちょっと変わった「あの子」の話ではなく、日々の失敗と成功に一喜一憂する「私」や「あなた」の話でもあると感じました。小林くんのように自然に受け止めてくれる人、宇野くんのようにひたむきであることの素晴らしさを教えてくれる人、お姉さんや天文部のおじいちゃん先生のように見守ってくれる大人、誰かが寄り添ってくれることの有り難さを感じました。宇野くんがテザーを持つようになるまでにも、誰かの粘り強い支えがあったのかなと推測したりもしています。これから宇野くん小林くんはもちろん、周囲の人たちも多くの葛藤を経験していくのだろうな。

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