涙雨とセレナーデ
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涙雨とセレナーデ

河内遙

絵と言葉がとても綺麗

2024年4月6日
レビューを読んでみたら大絶賛の嵐!一気に最新11巻まで大人買いしてしまいましたが、結果悔いなし!大正解でした!
思っていたよりもずっと壮大なお話。明治時代へタイムスリップしてしまった女子高生の陽菜が、自分とそっくりな令嬢雛子様、その婚約者の孝章様と出会い、次々と事件に巻き込まれていく。そしてその合間合間に、孝章様ふくむ登場人物達の悲しい過去が少しずつ明らかになり涙せずにはいられません。
絵がとてもお上手で、着物もスーツも背景もとても素敵だし、登場人物たちの表情がいつも素晴らしい。
目にうっすら涙が滲んでいたり、堪えられず溢れてしまう涙もとにかく美しくて、セリフが無くても絵だけで心を揺さぶられます。
そして絵だけでも素晴らしいのにセリフがまたいい!!この時代の話し方なのか、少し硬い言い回しと、独特の間で紡がれる言葉が綺麗で、あまり多くを語らなくても込められた熱い気持ちが感じられて、つい声に出して読んでしまうことも。いろんな漫画を読みましたが、こんなのはじめて。
陽菜も雛子様も菊之進もみんな好きですが、やはり孝章様がものすごくいいです!!高貴な立ち振る舞い、丁寧な言葉遣い、悲しい生い立ち、一途な熱い思い、そして優しくて誠実でちょっぴり嫉妬深い…もうどこをとっても完璧です。一生見てられる!
11巻ではまだまだ謎が明らかにはなっておらず、次の巻が出るのが待ち遠しくてなりません。とても丁寧に描かれているのがわかるので時間がかかるのは仕方ないですが、もう待ちきれなくて禁断症状が出てしまいそうです。でも元気に描き続けてくださるのが一番なので気長に待っています。とりあえず今は孝章様の弾くチェロのセレナーデはどんな曲だろうと、あらゆるセレナーデを聴き始めました笑。個人的にはシューベルトのセレナーデが物哀しくて好きですが、どうなんでしょう。
陽菜が現代に帰るのか、残るのかが最大の鍵ですが、どうかどうか2人が共に幸せに暮らせる結末でありますようにと願っています!!
一番大好きな漫画になりました。
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