オメガ・メガエラ
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オメガ・メガエラ

丸木戸マキ

忘れられない作品の1つになりました!!

ネタバレ
2024年4月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 丸木戸マキ先生には普段BLでお世話になっていますが、こちらもずっと気になってました。
たまたま破格の10Pで2巻まで購入したら、既刊の9巻まであっという間で‥。目を離す隙も与えない怒涛の展開、待ちこがれていた最新刊でした!!
初めこそ華麗なるオメガバといった感じで、昼ドラさながらのドロドロ。英家の長女麗子と真宮の家督争いでは、学園ものの少女漫画を見ている様などこか懐かしい空気感でした。また伊織と真宮の間に芽生える感情にも仄かなBLの予感と、ジャンルの垣根を越えた壮大なストーリーに作者様の真骨頂をみた気がします。

オメガバは作品によって+αな設定があり、こちらも先生独自のカラーが出ていて興味深かったです。

ことの始まりは、魂の番と信じていた征十郎の第一婦人に返り咲きたい一心で真宮と共に薄氷の危うい道のりを辿るのですが、この時点でもうすでに犀門がまともじゃなかった様に思います。
バース性に翻弄される人生と歪んだ社会、騙し騙され、何が真実で嘘なのか、もう誰を信用していいのか、、そんな疑心暗鬼の中、犀門の戦線離脱。
残された真宮が1人で立ち向かうにはあまりにも無力で、全てを打ち明け没落した英家をなんとか建て直そうと、ライバルだった麗子と手を取り合い必死に生き抜く姿に血の繋がりより深い絆を感じました。
と、同時に世にはびこった悪しき慣習を目の当たりにするのですが‥。
皮肉にも、不幸になるほど、今までギスギスしていた英家の皆が結束していったように思います。
終始、この世界の住人でなくて良かったと思う位、非人道極まりない社会に一石を投じようとする伊織達。

また、伊織と真宮との曖昧な関係の伏線回収もあり、6巻~からますます手が止まらない~!!伊織と共に生きることを選んだ真宮に、ようやく穏やかな兆しが見え、安堵するのも束の間ラストまで気が抜けませんでした!

そして、ずっと心残りだった有憲と麗子。
有憲のクセ強キャラ好きだったので、想いが昇華されたあの一夜は心にぐっとくるものがありました!(泣)気持ちを汲んで、背中を押す猩羅にも。


魂の番を求めるあまり道を踏み外した犀門に思いを馳せるのですが、思えば逃避行での斯波との時間が唯一心から幸せと呼べたのでは‥
エンディングもあえてダイジェストの様な見せ方によって、前向きな未来を覗けたので明るいものだと信じています。特別編!また会えて嬉泣
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