黄昏鳥居の恋みくじ
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黄昏鳥居の恋みくじ

三池ろむこ

ショートフィルムを観ているかのよう

ネタバレ
2024年4月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ ろむこ先生、挿絵のお仕事とかもされてますが、描き込みも繊細で丁寧なお仕事されますね。初期の作品は短編集とか多くて、読み込ませていただきました。今回は群像劇でリレー方式に主人公が替わりますが、どのキャラクターたちも魅力的で愛しいのであります。はじめの呉葉の神社に渉がお祈りに来るところとか、渉たちの通学路に円い窓の家が背景にうつっていたり…それぞれの欠片を探してみたくなって、読み終わったらすぐにもう一周してしまいました笑 どの子たちも優しい笑顔をしてるんだけど、どこかで仄暗い心の闇を持ってたりして、そんな人間らしさがストーリーのスパイスになって読み手の心を掴んできます。決してハラハラドキドキのようなスリル感はないんだけど、こういう感情ってあるよねとか共感できたり、2人の距離が近づいたときのじんわりと胸に響く感じはさすがろむこ先生だなぁと感服いたしました。仲良しシーンは一組だけ(それも最中でなくピロートーク)ですが、それでもいい。いや、それがいい!…いやいやあったとて嬉しいんですが、無くても充分満たされた気持ちになりますよー じっくり1ページ1ページを楽しんでもらいたい作品の1つです。しかも260ページ超えなので、たっぷり読んだなーと満足できました。初めてのろむこ先生作品にもってこいだと思うので、未読の方は是非!
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