明治従属タングステン
」のレビュー

明治従属タングステン

たつもとみお

或る手紙

ネタバレ
2024年4月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 上下巻は他サイトと紙で。「或る手紙」はフルールで全部読んでいた。
震災後のみよさん含む4人が少し見られて良かった。

時代に翻弄されたからこそ、出会った2人。そう…10才差だったんだよね。
家族に縁遠い2人だったけれど、家族になって創一もいて。2人だけではない幸せも知る。亮二の中原への複雑な思い、わからなくはない。拾い上げてくれた人、人扱いをしてくれ支援もしてくれた。「依存」と言っていたけれど、雛鳥なら親に懐くし、好きになるよなぁ。エドがいて、本当に良かった。
最後の最後に亮二が言った重みを感じる。

この時代、一部の人たちは、人を育てようとしていたよなぁ。ノブレス・オブリージュに近いな。恋愛絡むけど(笑)

日本の状態は、現実的にもっと大変だったと思うし、サラッと流れたようにも見えるけれど、背景としてはこれくらいでもよいのかも。終始、2人に焦点が当たっていて、読みやすかった。

激動の時代、明治、大正、昭和にかけての、インフラに関わりながら片隅で肩寄せ合って生きた2人。イメージが膨らむ。
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