千年狐
」のレビュー

千年狐

張六郎

中国古典の怪異録である捜神記をコミカルに

2024年5月9日
仕立てられています。ゆるーいギャグのセンスが光り、元の捜神記の良さに彩りを添えています。捜神記は中国の志怪文書。志怪文書とはホラーではなく、当時の膨大な量の不可思議な話を記録した本です。日本で言うところの「本当にあった怖い話」を脚色演出一切無しで、聞いた事実のみを淡々と綴る不思議な話集。ホラーと受け取るかファンタジーと受け取るかは読み手に任せ、作者が不思議な話を探し求めて西へ東へ。当時の経済を鑑みるに大変な道楽者かと。原作翻訳も淡々として読みやすいので、機会があれば是非。ただ、この本みたいな物語仕立てにはなっていません(笑)。
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