嘘つき達の長い夜【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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嘘つき達の長い夜【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

暮田マキネ

意外すぎるほどシリアスな続編

2024年5月29日
「僕の可愛い酔っぱらい」の続編、その後の二人に訪れる試練とその根源となるちぃさんの過去のお話。
前作では可愛らしかった二人が、今回は笑顔がなくなるくらいシリアスでツライ場面が続きます。みんなの叶わない一方通行の想いが拗れ、全ての被害をちぃさんが被ってしまった過去の出来事はちぃさんをボロボロにするには十分だったと思います。ただ人を好きになっただけ、何も悪いことはしていないのに誰よりも傷つけられたちぃさんが痛ましく苦しかったです。
結局壽は何をしたかったのでしょうか。戻ってきてからの彼の言動には気持ちが見えませんでした。あとがきに書かれていたマキネ先生の設定だと、壽は離婚間際とのこと。昔と同じようにちぃさんを腹いせの対象として見ていたのでしょうか。ヒナが直接向かっていっても太刀打ち出来ない強さは、ただただ嫌悪感を生み出しただけでした。壽が何故あそこまで酷いことをしたのか、スピンオフなどでもっと深く掘り下げて欲しいです。
あとがきに、マンガには描かれなかった細かい設定が書かれていましたが、その辺も含めてもう少し詳細な内容でボリュームのある巻数でも良かったかなと思います。上手くまとまっていますが、分からないことも多く、あとがきの設定でかなり補完されました。あの細かい設定を活かさないのはもったいないと思いました。
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