巣箱の王子様
」のレビュー

巣箱の王子様

秋平しろ

優しい絵から想像できない2人の現実に涙

ネタバレ
2024年5月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作者。全てのコマが可愛く優しくて、お洒落な物語でした。

だけど2巻で、夢のような王子と主人公の情事後…謝罪の菓子折りを選んでいる主人公のシーンにハッとして、そこからまた1巻から読み返すと…もう本当に辛くて大泣きでした。

想像するに主人公の人生は、学生時代を懐かしく思い出しても…初恋人、初体験、恋人と過ごした放課後の時間全て彼がお金を支払って買ったものなんだなと(この設定がもう😩)そんな彼の日常は今も変わらず、会社の後輩くん(セふれ)にお金を払うからとお願いして、性欲、射せい欲だけの関係と(本人)

じゃあ彼には家族以外での思い出がほとんど無いの?と思ったら、何故そんな事を繰り返していたんだろう??と。田舎を出てからだったら同性でもちゃんとした出会いが出来たんじゃ?と思っても、作中の見合い話や通帳を眺め慰謝料を考える彼のシーンから、家族に迷惑をかけてはと、そんな風に思う田舎の怖さや経験を知っている農家の次男なのかなと…(想像です)

主人公の彼と関係を持った事が、その人にとって人生の迷惑になった過去があったんだろうなと。慰謝料を支払わないといけない出来事が王子以外にもいたんだろうなと。
慰謝料や謝罪の菓子折り…そんな経験は、主人公が会社の中で学んだものじゃなくプライベートから学んだ事なんだろうなと。領収書をお願する描写がないんですね(自分の身を守ろうとしてないのが辛いんです😩)

1巻。人事に呼ばれ、後輩とラブほにいた理由を聞かれた時、後輩くんは主人公に買われたと(あの時彼が領収書を後輩くんに書いて貰っていたら、合意だったと証明できたのに…。部長が良い人でした😩)
慰謝料を含めての謝罪は、領収書をもらわないといけない事を主人公は知らないのか…もう本当にどこまで優しいんだろうと。

最後に、ん、と思ったのが、王子の高校の思い出話。シャーレに自分のあれを付けて顕微鏡で見たら、無かった。友人達でそれが流行っていたと。
どこでアレを取ってきたのだろう?と…本当に”友人”間で流行っていたの?と…(邪推ですかね)

そんな2人の人生には、似た辛さがあったのかなと思いました。

作者が設定した王子と主人公の人生は苦しくなる程辛いのに、優しい世界にぽわぽわされて読んでる私もポワポワ。最後はもう温かい気持ちなって、読んで良かったなと…沁みました。
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