千年後宮【特別版】(イラスト付き)
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千年後宮【特別版】(イラスト付き)

宮緒葵/笠井あゆみ

歴代の攻め様(タイプ)大集合

ネタバレ
2024年6月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 関連作である「あの夏から戻れない」を読まなくても読めますし、あそこまでホラーな感じはありませんが、ネタバレ見ないで読んだほうがより楽しめるかな。
【以下、ガッツリですのでご注意。】



言うなれば、1000年にも渡る、神による光源氏計画。
元々人好きな方だった神様が、可愛がっていた人間たちに蔑ろにされて存在自体が危うかった所、のちの愛し子(玉還)だけが神様を崇めて思いやってくれ、その信仰心で何とか存在を繋ぎ止めていた。
愛し子はアルビノとして生を受けただけで醜いと言われ王族…しかも王の長子なのにも関わらず虐げられていて、愛し子は自身が明日生きていられる保証があるわけではないのに神様を心の拠り所として、痛み始めている僅かなご飯を神様に献上したりと、愛し子自身も苦しいばかりの世の中で神様と接する時間だけが唯一の拠り所だった。
しかし、貧しさに喘ぐ国のために愛し子を勝手に生贄にしてきた人間(特に彼の母親)。神様は生贄なぞ最早望んでおらず、愛し子と過ごす時間だけが大切だったのに、愛し子の命を献上してきた為、絶望し国を滅ぼした。再び愛し子だけと幸せに暮らしたい一心の神様は、わざと生き残らせた一部の王族を監視し、罪を償わせながら愛し子をこの世に再び誕生させることを思いついた。そして愛し子と永久に暮らす時だけを糧に神様は人間たちを利用するのだった…

という、バックボーンがあり、千年かけて人間を意のままに交配させ、愛し子が生まれてくる間に国を潤し、愛し子のための揺り籠を無事に作り上げ…ついに愛し子、玉還が生まれてくると彼の父である皇帝を即座に退け、生後0日の皇帝が即位。
神様に間接的に育てられた玉環は、やがて妃を娶ることになり……が物語の始まり。
ここから玉還がずっと神様と生きていく為の下地を作っていくわけですが…まさかの6Pです。5対1。しかも先生の歴代の攻めたちが大集合ですよ。
ママ攻め、パパ攻め、お姉様攻め、達幸攻め、そして神様攻めです。そう、歴代の攻めたちが大集合して玉還を可愛がります。永久の時のために人間はそこいらの雑草の如く、本当に容赦ない神様を横目に玉還の溺愛っぷりを摂取。人間目線で考えると割とクるものがありますが、その徹底しまくったド執着溺愛が、ある種なホラーかもしれません。
読者の立ち位置さえブレさせなければ複数攻め…特に5対1のプレイは圧巻です!面白かったです!
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