子連れオオカミ
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子連れオオカミ

井上佐藤

杉良の色気はこれだったのか~…。

ネタバレ
2024年6月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 流し目の井上佐藤先生とお呼びしてもいいでしょうか。
子どものころ、流し目の代名詞「杉〇太郎さま」にキャーキャー言っているおばさまたちが理解できなかったことを思い出しました。
『あ~これか、この色気か・・・』と数十年経ち先生の絵を見て電撃理解。
この目線は命中率100の必殺技、口程に物を言うまさに殺し文句であります。

それは置いておいて。
本作、3カップルのお話が読めます。
それぞれに大人の必死でかっこつかない初恋みたいなストーリー。
表題作はタイトル通りのじれモダ切ない父たちのお話です。大人のテンプレじゃどうにもならない関係は初恋。
ままならないワンオペ育児の親の恋、子どもの未来に悩み選択する道、だれが卑怯といえようか…。
大きなベッドのコマが幸せすぎてそのあとがちょっと切なすぎました。
また本作品で気に入ったのが、登場する子どもたちがリアルな子どもの行動に見えるところです。よくある出来すぎた子どもでもなくよく見かける子どもたち。
よりストーリーが父の恋にフィーチャーされます。
そしてもう一つ、恋の手練手管の限りを尽くせるような良い男ふたりのお話。
こちらも良かった…始まりから何もかもカッコつけている様でちゃんとふたが閉まっていないようなちぐはぐな二人なんです。一線は越えているのにさも越えていることを見ないふりしているような。大人の恋はじれったいぞ。
こちらも二人の周りのお嬢たちがいいアクセント!その本私にも読ませてくれ!と言いたいw
最後のカップル、短編ですぐに読み終えることが出来るんですが胸ぐら掴まれてぐらぐらさせられる切なさと愛しさのぎゅっと詰まった作品。
これ同性じゃないとできないラブストーリーなんだよねぇ~。

全編通してエロスも相当なものです。
先生の絵が既にエロス。
生々しいです。
生々しいです。

後日談の作品もあります。
合わせて読んでみるのもいいですよ~。

**180ページ**
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