このレビューはネタバレを含みます▼
へたな欧米映画のようなタイトルで失礼します。でも本当に5話で「そういうことだったの!?!」となってでもとりあえず最終話まで読んでからまた1話から読み直すので最低2周は皆すると思います。(私は昨日購入してからこのレビューを纏めるのに10周を超え…)その位各所にギミックが隠れていて、全てのフラグ回収がわかったら超気持ちいいですし、どう頑張っても初見で主人公(受け)のまくたを好意的に見れなかった私でも1周目の最終話の時点でまんまと感情移入してましたので、このBLは物凄いです。まくたは典型的なツイ廃で寂しさや生きづらさや自己肯定感の低さをSNSで毒を吐くことで発散するタイプなので、私はなんだか居た堪れずに好感が持てなかったのですが(共感羞恥はしてたかも)、その人間としてどうしようもない所を匿名のウェブ上で遠慮なく晒していたからこそエスの目に留まり、エスはまくたのそのどうしようもない所を愛するようになる、というストーリーの核心のギミックが見事すぎて、白黒つかない人間でもこうやって愛されることがリアルの世界だよなぁ、と真理の側面に気付かされたような、なんだか壮大な気持ちになってしまいました。そんなことは兎も角、わたしは直接描かれてはいないけど、エスがまくたをすでに好きだったと解った後の、2周目以降に読んだ時、随所にエスの独占欲?と思われる所が垣間見られてゲホゲホしました。一番たぎったのは、三谷の電話にまくたが対応してるコマでエスの表情が描かれていない、からの「三谷も一緒に飲もう」はエスの三谷に対するマウント、これ、そういうことですよね?ね??それ以外に理由が思いつかなくて…。いい雰囲気だったけど邪魔者からの電話で、しかも直前に聞いてた『まくたにとっていい奴の同期』の三谷。他の人間の話されるのに不満を持っちゃうエスが芽を潰すため、いい雰囲気をぶっちぎってまで、電話掛け直させてまで三谷を誘ったのはこれしか考えられなくて今日も飯が美味いです。結果的に自爆してるのも良い…。エピソード的には単行本・最終話→単話読切『向こうの人と』→単行本・描き下ろし→電子購入特典、でしょうか。まくたの事を俺のことが好きな一般人、と自惚れてた超人気俳優エスが先にまくたに惚れ、そしてまくたの天然のコミュ症反応に翻弄されガチでへこみ、結局最初にまくたがエスを誘った(無自覚)手を使って結ばれる。あっぱれ!!!