このレビューはネタバレを含みます▼
作者買い。
フォークの達成と、ケーキの稔世のお話。
ケーキバースとは何ぞや、というところから始めなければいけないほど初心者ですが、冒頭しっかり解説がなされているので戸惑うことなくストーリーに入っていけました。
ただ、このケーキバースという設定…フォークが不憫過ぎるんですが。
個人的に食が人生の楽しみの大半を占めているので、味覚を失うって結構な苦痛です。
同じようなBLの世界観であるオメガバースは、まだ抑制剤など多少対策がなされている感覚がありますが、このケーキバースのフォークに関しては全然何もなされていない印象です。
そんなケーキバースの世界でフォークの達成が、事故で助けたケーキの稔世に助けたお礼にキス(味見)させてもらうように。
キスシーンがかなりじっくり丁寧に描かれています。めっちゃ色っぽい。可愛い。
が、その後何だかんだあって、このキスの習慣は有耶無耶に。
達成は未だにケーキの甘美な味わいが忘れることができず、そんな時に2人が再会。
キスを強要してしまった負い目がある達成の後悔が切ない…。
相手の意に沿わない酷い行為を、ここまでしっかり悔やむ攻めって結構珍しい気がします。
これだけで達成の好感度がかなりアップ(BL受けの意に沿わない行為をしても反省しない攻め多すぎ問題)。
そして後悔する達成に、まさかの稔世から迫る展開が待ち構えておりました!!
正直めちゃくちゃ萌え盛るんですけれど!!
全然期待してなかったケーキバース(ごめんなさい)。いい意味で裏切られました!
被食反応に萌える…。気持ちいいほど甘くなるって最高やん。
さらに2人で一緒に指入れちゃうとか…こんなん昼間読んだらあかんヤツ!
畳みかけるように稔世のターンへ。
好きな人に選ばれる喜びを知った稔世が、気持ちを伝えられずにフォークとケーキの関係に縋ってしまう気持ちが切ない。食事の延長でも良いって…。
受けの方が一途に攻めを想う話、大好物過ぎて本当にありがたいです。
そして両想いになっても、片想いな感じも切ないんです。
稔世素直に受け取っちゃえよ、幸せを甘受しようよと諭したくなります。
不穏な感じで2巻に続いてしまいましたが、百瀬先生の本の中でこの作品が一番好きかもしれません。
受けが女子っぽくないのも好き。攻めと身長差があまり無いのも良い。
とにかく稔世には幸せになって欲しいです。