このレビューはネタバレを含みます▼
ネットで容疑者と道警担当刑事が…という記事を見かけ、作者の「悪魔を〜」(最終巻発売✨)とこの作品を思い出しました。読むなら今だろうなと。
ヤクザとノンキャリ刑事の物語。愛する事ができるのは女性だけでは?としみじみ思います。男と男が深い関係になっても相手を想ってではなく、自身を憐れに思ってわく情で抱き合っているのかなと…。
関西でも八敷の出自と似た地域があった様な…。この歳で当時を思い返すと、優しい言葉が並んだ勉強会のお知らせや優しい言葉の工事現場、影が濃い程白かったんだなと懐かしかくなりました。
八敷の香水…意味は王妃の水(ネット〜世界最古の薬局から生まれたブランドで、ルーツはドミニコ修道院)薬局(ツボった)や聖ドミニコまで八敷とかけている作者に脱帽でした。犬、炎、金の子牛に繋がる描写に、作者は作中のセリフや歌に”悪魔”を散りばめているなと。
上巻の佐伯のepは涙で、シラフでは八敷と向き合う事も抱く事も難しく…彼の母親の様に八敷もまた最後まで佐伯の心を知る事はなかったのかなと。んー…逆に知っていたからこそなのかな…(八敷の精神は小学生で終わっていたのかな?と。母親、自分だと思っている自分を演じている八敷を感じ…。もう曲がった八敷が八敷なのかなと。痩せすぎ…から、彼もシラフの時があまりなかったのかなと)
下巻は世界線が交差するのか、八敷の足の指を必死に数えました。女性というものをロシアに売る悪魔なのだけど…幸せであってと祈ってしまう八敷の魅力…そう感じてしまう程彼の生き方は耽美なんです。(ハネムーンは夢の中だったのか。青い鳥では指は隠されてた…😩)
鬼戸が八敷を裏切らなかったのは、やはり彼も八敷に母親を見たのかな?と。八敷がロシア語を話せる所から母親といつまで一緒だったのか…ロシア船長が取り調べでユダヤ人というのはイヤミね、というセリフから全てあべこべなんだろうなと。宗教、文化は麻と…ソビエトだなと。
「警察は(自身も含め)イカれた人の最後の砦」と言う水谷のセリフと、フリーライター鈴木氏の…その後処分されず大半の彼らが定年を迎え何食わぬ顔で生きている…とニュースについてのコメントが重なりました。そんな作者のリアルな物語。付箋の細かさに天才…✨とジーンとしました。
鬼戸というノンキャリ人生はトップキャリアの糧になる。それが作中悪魔という組織なのかなと…