愛犬は番になりたい 完全版
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愛犬は番になりたい 完全版

三角すみ

リュウとゆうまのものがたり

ネタバレ
2024年7月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 愛犬家の優磨は、飼っているリュウの為に郊外に一軒家を借りるほど飼い犬を至上としている為か、ハイスペックなのに彼女に振られがち。
今回も「あたしと犬、どっちが大切なの?!」とビンタを食らって別れたばかり。でもリュウが居れば毎日が楽しいし毎日に活力が湧いてくるといつもの日々を過ごしていたが、ある日、うっかり家の窓を開けていたせいかリュウが行方不明に。
雨が降りしきる中、優磨はリュウを探しに行こうと家を飛び出そうとした所、全裸の男が…しかもナニをいきり立たせた状態でこちらを見つめていた!
襲われる!とパニックになったが、よく見るとリュウの首輪をつけていて、さらによくよく見るとリュウと同じ黒髪にブルーの瞳。さらにリュウと同じ場所に傷があるではないか!しかもリュウが隠し持っていたオヤツを咥え、ポトリと優磨に渡してきて舌足らずで喋りにくそうに優磨を呼ぶ男に、優磨は一か八かで「…リュウ?」と呼んだ。
すると全裸の男は嬉しそうに優磨に飛びついてきて?!しかも「けっこんしよ」とお構いなしに優磨のお尻にナニを擦り付けてきて?!リュウが行方不明になったと思ったら人間になって現れ!さらにシコってくるなんて…!と優磨はそのまま失神したのだった…

という序盤から、マジで人間歴0日のリュウの面倒を見ながら、なぜ人間になったのか?の謎を追いかけつつ最後にはリュウを一人の人間として受け入れ、番になるまでのお話。最後まで満足の一冊でした!

でも、よくある狼人間という話ではなく、犬がいきなり人間なるってこういう感じだよねってのが割とリアルめに書いてあります。それが本当に良かった…だからこそ、犬で家族なリュウを一人の男として、ストレートである優磨が「リュウはどんな姿になってもリュウ」と言っているように、何があっても添い遂げるという生物の境界よりも元々家族として認識しているからこそ受け入れられたのではと思います。
なにより友人に「愛犬と会話できるんだぞ!」と喜んで話しているあたり、本当にリュウのことを愛しているんだなと言うのがセリフの端々に伝わってきます。
もちろん、犬のままだった頃のリュウに対して肉欲は抱いたことはもちろん全く無かったというのはハッキリ言っときます。
だからこそ、だからこそ最後の最後にリュウが人間として優磨の伴侶になっているとわかるコマ達に胸が温かくなりました。
次回作も楽しみです!
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