このレビューはネタバレを含みます▼
モデルのりりこは誰もが羨む美貌の持ち主。破竹の勢いでスターダムをのし上がる彼女には、人には言えない秘密があった――。
この作品、すごかった。
初出は1995年。
かなり昔の作品だけど、今読んでも古さを感じない。テーマが普遍的だからかな。
愛を渇望する魂とその虚無を描いた、本当に見事な作品でした。
【以下ネタバレ】
りりこは心のよりどころを求め渇望する。
愛に飢え、愛に憧れ、あらゆる手段を使って愛を追い求め続ける。
だけど求めれば求めるほど、愛から遠ざかってゆく…。
「なんでよ!?」とブチギレながら、それでも彼女は拳を振り上げ立ち向かってゆく。
その破滅的な生きざまが烈火のごとく美しい。
彼女は間違いなく命の限り戦ったし、前に進むことを恐れず走り切った。
まるでそれは手負いの獣みたいで、血まみれになりながら突き進む彼女の姿は綺麗だと思った。
りりこ…あなたは自分の映像が、数週間で消費され、どうせゴミ箱行きだろうって言ってたけれど。
あなたの物語は三十年ちかくたった今でも
語り続けられ 読み続けられてるよ。
岡崎先生…もう一度、先生の作品が読みたいです