はだける怪物
」のレビュー

はだける怪物

おげれつたなか

その時々で読了感が変わる物語…ようやく😩

ネタバレ
2024年8月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 上巻を読んだ後、ちょっと無理だ…となってそっと閉じて数年。読めるうちに最後までちゃんと…と、ようやく読了しました。14日までセール中(「錆びた夜〜」→「恋愛ルビ〜」→「はだける〜」)

無理だとなったのは、DVですね😔 かなり繊細な描写で林田の心理を描いているからか、彼が新卒入社してからの性格の変化はリアルすぎて怖かったです。
鬱になっていく様も言葉ではなく描写されていて。散らかっている部屋、記憶が飛ぶ。体重減少から睡眠障害を感じたり…。

だからといって、同級生でもあり恋人 弓を殴ってしまうのはちょっと無理で。人を殴る事を知っているから林田は殴れるのだろうと。殴れない人は自身に向くのにそれが弓を殴るのだから。その時の作者の林田の描写には、苦しみだけではないものも感じて。

どんなに後悔しても殴れる人はまた殴り。殴る為に相手の弱みを探して(弓の帰宅が遅いと言った様に)、殴る。その後悔も、弓にではなく、殴った自分自身を後悔している。そんなルーティンが嫌で己に痛みを…と。だから今回は受け専なの?と思ってしまった上巻でした。

下巻。その後の弓の精神的な苦しみはあまり描かれていません。あれだけの事を日常的にされていた数年。ドアを開ける時や、タバコを吸っている人が後ろにいる時の緊張感。色々とあるだろうなと。バーの上階に部屋がある所から、もしかしたら逃げ場がないと恋人とも一緒に住めない?とも思ったり。弓の方がこれからの人生は辛いだろうなと、可哀想で。そんな風に思いながら読了でした(よく林田を支えたよ。)

そんな感情は横に置いてBLとして読むと、感動なんですね。どう言葉にして良いのか難しいですが…。

会社で自尊心を壊し鬱になっていく林田が、同じ様に弓を鬱にさせていく。弓は林田の笑顔がまた見たいと思考停止になっていて、己を守らない。そんな林田の側に居る事が心地良いと(June的尊😩)彼が最後に思い出していたのが、中学時代の頃の自身と真山くん。携帯の描写が…美しかった✨

真山くんと弓のその後はあまり描かれていませんが、最高に良かったのが路地裏の2人の描写でした。あんな風に弓がいっぱいいっぱいになったら、肩を貸してあげてるんだなと…あの描写だけで十分でした。

林田😕 秀那が出来なかったり拒否したら弓の様に殴る? それが彼が一生抱えていく怪物なんだろうなと。はぁ…最高に良かったです
いいねしたユーザ11人
レビューをシェアしよう!