初恋を処する方法
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初恋を処する方法

ウノハナ

軽重のバランスが絶妙で面白い

ネタバレ
2024年8月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 心の奥底に眠っていた想いが、再会と同時に動き出す…単純な拗らせ再会ラブかと予想しながら読み始めましたが、先輩の過去や心情の掘り下げがしっかりされていて思いの外のめり込んでしまいました。飄々として何処かふてぶてしさを感じるような松田の、実は繊細な心と過去に受けた深い傷を思うと切なくて、現在進行形で傷つき苦しみ続ける様子が悲しかったです。
聡さんと佳月、どちらも一度目はダメだった関係で…最後に選んだ決め手は何だったのでしょう。恋は落ちるものだから自分では止められない。松田の思いが過去のまま、恋であれば聡を選んだ気がします。でも愛は育むものだと思うから、過去も含めて何もかもを受け入れてくれ、これから先の未来を一緒に作り上げていきたいと思ったのは佳月だったのかなと思いました。
とんでもない始まり方でしたが、ちょっと重めのラブストーリーで、修羅場はほのぼのシュールで味があって面白かったです。
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