ホテル・ローレルの渡り鳥たち
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ホテル・ローレルの渡り鳥たち

赤河左岸

見事なストーリー

2024年8月24日
いつまで滞在しても、どんなに飲食しても、宿泊代無料の謎の豪華ホテル。
そのホテルを訪れる客も、なにやら事情がありそうで――。

二巻完結。
BL「屍と花嫁」の作者様。この作品、素晴らしかった。

序盤から美しいホテルの風景に圧倒される。
構図も、見せ方もすごく上手い。まるで自分もホテルの中にいるような臨場感。
従業員もお客もみんな一癖あって、可愛くて、ワクワクしながら読んでいたのですが。。

二巻からがすごかった。
綿密に計算されたストーリーに唖然とした。一巻を読み終わったとき、まさかこの物語が二巻で完結するとは思わなかった。鮮やかなマジックを見ているみたいな、見事なラスト。
作品全体にひたひたと漂う寂寥感がいかにも赤河先生で、読後にふわっと切ない余韻が残った。
すごく面白くて、ちょっと切なくて、美しい物語。オススメです
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